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Ceramics : 窯の種類

窯の種類

先人たちは良いやきもの製作のために焼成窯を研究ました。構造の単純な古い窯でも優秀なものも多数残されていて、最近まで使われています。
代表的な窯の種類を紹介します。


@登り窯
かつて中国・朝鮮から伝わった古い形式のものであり、効率が良く余熱利用ができるので最近まで使われました。

この名のとおり、山の緩い傾斜を利用してかまぼこ形の窯を段々に連続させたもので、最下端の焼成室は胴木間と呼ばれていて、焚口専用です。

一つ上の次の焼成室から順次高く連結されています。室と室の間は下方の小穴で連絡していて、炎熱風が順に上昇する構造です。煙突は最上部についています。
各焼成室の側壁にはやきものの出し入れ口があり、そこを閉じた時その上部に薪の投入孔が作られます。
最初の焼成室を焚くとその余熱は連絡穴を通って次の室に入り、ここのやきものを予熱します。
最初の室が焼き終れば次の室の側壁から薪を投入して焼き上げ、第三の室が余熱される仕組みです。
最も高い場所にある室は主に素焼に使われます。
窯の構造から燃料に薪しか使えないので次第に廃れましたが、熱効率が良く炎が美しく澄んだやきものができるのが特長です。

A丸窯
明治中期に欧州から伝来して、窯の形状が円筒形で周囲に4〜6個の焚口があります。
燃料は当初石炭を使用していましたが、現在では重油に替わっています。窯詰めは匣鉢法です。

丸窯は倒炎式でり、炎が両側の底から窯壁沿いに天井へ昇り、アーチ型の天井に当たって下降します。匣鉢の間の隙間を通って床にある引き穴から小煙道に入り主煙道に集まって煙突へ導かれる方式です。
炎が滑らかに対流して温度のむらが少ない窯です。

B角窯
窯の形状は長方形です。
長い壁の両側に1〜3個の焚口があり、炎の動きは倒炎式です。
相対する焚口と焚口の間隔が狭く温度差を少なくする事が容易です。築炉が丸窯より容易であり、窯積め作業も容易であり今でも大小の窯が使われています。

Cトンネル窯

陶磁器全般に使われ最も進歩した窯で、現在の工業的な窯はすべてこの形状です。
細長いトンネル状の形をした窯であり100mにもなる大型窯です。この中をやきものを積んだ台車を通して、焼成冷却を連続的に行なう方式です。

窯のほぼ中央部の両側に各数個の焚口があり廃ガスは入口の方に進んで台車を予熱して煙突へ排気されます。焼成されたやきものは出口の方へ進み出口附近から入ってくる風で冷却されて窯出しされます。
台車の速度を一定にし、窯内各所の温度と炎の流れを一定に保てば、品質の揃った製品を制作できます。この窯の長所は、燃料の消費が少なく、連続作業により均一な製品の量産に適しています。
窯の建設費は多額になりますが維持は容易であり、窯詰め窯出し作業が窯の外で行なわれるので作業も容易です。

窯詰めの方法

やきものを失敗なく焼くために、それを窯へ詰める方法は様々な手法が試されてきました。
土管などを焼く時の裸積み法、灰のない燃料を使う場合の棚積み法などがありますが、最も普通には匣鉢積み法が行なわれます。いずれも焼成中の収縮、軟化、窯内で附着するごみや炎の回りに考慮されています。

*匣鉢(コウバチ)とは、やきものに炎の影響が直接及ばないように、やきものを入れておく耐火性の容器

焼き物を焼く過程は、素焼きと本焼の2つの過程に分かれます。
素焼の場合は、温度が低くやきもの同士も灰も付着することはありませんので、窯内の棚に隙間なく製品を並べても問題はおきません。

しかし、温度の高い本焼の場合は、焼成中に接着したり灰がかかったりしますから、一個または数個を匣鉢に入れて積み上げます。匣鉢は地域により「さや」または「円五郎」とも呼ばれています。匣鉢とやきものの間にも、接着を防ぐため目砂といって熔けない砂とかアルミナの粉を塗ります。
さらに、焼成中のやきものは温度により軟化するので、形がに狂いがないように「とち」を用います。

*「とち」は耐火物で作った平板で、皿や井や土瓶などが歪まないようにするものや、丸い山形で碗を伏せて焼き口縁の円を正確にするものなどがあります。

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